アニメアイドルマスターSideMを見た

まとめ:

2021年3月7日、SideM3rdライブ幕張公演Day1が配信されるので、SideMを履修するために2017年10月放送のアニメ・アイドルマスターSideM(以下、アニエム)を見ました。

いや~~アニエム面白かったですね!2017年のアニメの話をいまさらします。アニメアイドルマスター(アニマス)が10年前でアニメアイドルマスターシンデレラガールズ(デレアニ)が6年前だから3年半前は最近だしたぶん令和アニメだと思う。

あくまでSideMに触れるためのいちステップとしてアニメを見たので、同時進行したMobageアイドルマスターSideM(モバM)で得た知識もまとめて触れてます。
新参Pのため認識・解釈が誤っているところが多々あると思われますが、生涯で一度しかできない「事前知識のないままアニメを見る」経験の感想を記録しておきたかったので、そのあたりはご容赦ください。でも間違いは教えてくれよな!恥ずかしいから!

 

(※追記:この記事を書いたときは初見なのでまだ担当アイドルがいません)

前提:

当方、アイマス2アイマスDSをリアルタイムでプレイ済みで、765・デレ・ミリ・シャニ全員把握済みの、菊地真諸星きらりのプロデュースを担当している女性Pです。
つまり新参PじゃねーんだけどSideMでは新参だから。Jupiterにめちゃくちゃ思い入れあるけど新参だから。新参Pです対戦よろしくお願いします。

感想:

めちゃくちゃ最高なアニメでしたね……アイドルへの愛と制作サイドの熱量を感じた。
まず作画がずっときれい。しかもキャラデがアニマスに寄せてて、つまり美少女顔してる。事務員とプロデューサーも含め、美少女とヒゲが生えてるタイプの美少女しかいないアニメでした。アニメの中で脱いだのは3人だけだから残りは女の子の可能性がある(※ない)

以下、ユニットごとに感想を書いていきます。

 

 

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DRAMATIC STARS

柏木翼

最初に顔を見る→美少女かな?
プロフィール見る→腹ぺこ属性って美少女かな?
声を聞く→美少女じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!
というわけで美少女です。私の中では美少女になった。なったからしょうがない。うちの諸星きらり(186.2cm)よりちょっと小さい182cmだからやっぱり美少女です。
ところでミリオンの伊吹翼はPからツバッティーと呼ばれ、柏木翼はてゅばさと呼ばれているらしいですね。呼び方に元ネタがあるのかはわからないけど、ツバッティーがツバッティーでてゅばさがてゅばさなのはすごくわかる。わかるわ。でもよりによって信号機ユニットの黄色同士で名前がかぶってるのはわからないわ。

名前といえば、最初は翼も桜庭に対して「桜庭さん」呼びだったんですよね。その後「俺たち、苗字じゃなくて下の名前で呼び合おうぜ」と言い出した輝でさえ「桜庭」呼びなのに、しれっと「薫さん」呼びに移行してるの翼にしか許されない所業だなと思います。だって輝が「薫」って呼んだら桜庭ぜってー拒否するじゃん。
メタ的に言えばモバMで最初から「薫さん」呼びしてるからってだけの話なんですが、わざわざアニメで「桜庭さん→薫さん」に変化する描写を入れてるのは翼のぐいぐい距離を詰めてくるところを表現してるのかなーと思います。あとは翼に甘い桜庭の描写のためかな。その横で輝への厳しさがより引き立つので。ドラスタはユニット内で全員苗字呼びと名前呼びされてるので、新参Pでもぜったいフルネームを忘れないメリットがありますね。

翼がアイドルの道を選んだのは「自分の意思で前職を諦めた」わけでも「避けられない事故で未来を絶たれた」わけでもなく「自分の力不足で夢を失った」ためで、そんな彼が「自分の力不足で輝と桜庭の夢を失わせる」ことに恐怖する描写が説得力がありすぎる。副操縦士でいられなくなったことは翼にとっていまだに乗り越えられていないトラウマで、過去に裏打ちされた自分への不信というかある種の諦めや負け癖がつきまとっているんだろうなと思います。ユニットの中で一歩引いた立ち位置にいがちなのもそのせいなのかな。まあ他二人がめちゃくちゃ前に出てくるせいでもありそう。
SideMアイドルは全員ワケありなので、言動の一つ一つを深読みできてしまうんですよね~いまだに飛行機の模型を持ち歩き空港に足を運ぶ翼は空への未練が断ち切れていないのが知れてつらい。翼がアイドルでいる理由は「自分が見られなかった最高の景色を見るため」で、つまりパイロットという失った職業の代替でしかないし、その夢を叶える道は他にもあったかもしれないわけです。本人はたぶんアイドル業に満足しているけど、弱った翼に甘い夢を見せてこの道に引き込んだPの責任は重い。Pって誰だ。私だな。

ところで私マフラー萌え属性があるんですが、翼はおおむねマフラー巻きがちで嬉しい。でかくてガタイのいい24歳男性がポンポンついたマフラーしてる世界、やさしいな……。ステージ衣装でもストール巻いててやさしい。たぶんPがマフラー萌えなんだろうな。私だけど。

輝と桜庭とかいう揉めサーの中に放り込んでごめんな……といつも思ってるんですが、ユニットに不満を抱かないどころかドラスタを好きでいてくれる翼って本当いい子だな……。パイロット時代は必要とされたくても自分にそれだけの力がなくて、アイドルになってからも前職でのトラウマに足を取られてしまった翼にとって、輝と桜庭の二人はもしかすると「初めて自分を必要としてくれた仲間」なのかなと思います。そりゃ好きになるよね。ずっと好きでいてほしい。二人がケンカしてるときはほっといていいからね。
そんなドラスタ3人の絆を得た翼が強くなって、ソロ活動を始める輝と桜庭に流されず自分のやるべきことをやると決断できたことになんだかジーンときました。自分の判断を貫けるのって、自分を信じられるようになったからだと思うんですよね。アイドルマスターSideM LIVE ON ST@GE!(エムステ)のユニットストーリーでは桜庭に風見鶏呼ばわりされてたのに、成長したね翼……。いやどうして桜庭はそんなに的確かつ辛辣な言葉を吐けるんだ。尖ったナイフっていうかもう医療用メスじゃん。元医者が人を刺すな。

 

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桜庭薫

黒髪!耳隠れショート!メガネ!青目!はい好き!!!
なので美少女です(ガバガバ判定)。まいったなドラスタ美少女しかいねーぞ……そんな二人と一緒に男湯入った元弁護士がいるってマジ?
どう見ても顔がいいのにVocal特化なステータスのせいでVisual低めになっていて、それを「アイドルスマイルとか苦手そうだからViが低い」と解釈してるPちゃんたちが好きです。メタ都合の設定でもリアルに解釈するオタクすき。

SideMのアニメ・ゲームともに「中性的に描かれる成人男性アイドル」は数人いるんですが、中でも亡き姉のために人生を決めた桜庭が女顔なのは重たいものがありますね。すっかり男性の体つきになった現在はともかく、中高生のころは鏡を覗きこむたびにそこに二度と会えない姉と同じ顔を見いだすわけで、精神の均衡を欠くルートもありえたのにまっすぐ(まっすぐ……?)育って本当によかった。うちの事務所では桜庭の女装絶対NGにします。桜庭もお姉ちゃんも過去回想の時点で京都弁でないあたり、かなり幼い頃からおそらく姉の治療のために関東に移住していたのかなと思うとしんどい……元気だった頃の思い出があるといいなあ。

「難病の治療法確立のため医者からアイドル」は本末転倒だろってモバMリリース当時からネタにされてますが、実はこれ至極理に適ってるんですよね。なにせアイマス世界におけるトップアイドルは現代日本におけるアイドルよりはるかに大きな力を持っていて、「どんな願いでも叶えてやろう」とか魔王なセリフも言えてしまうので(モバマス・DSコラボイベの日高舞より)。ただ『アイマス界のアイドルはやべー力を持っている』ことはゲーム・アニメでもおそらく説明されてなくて、制作サイドがファンタジーじみた世界観になることを嫌ったのかな?とも思いますが、26歳の桜庭が研修医でなく元外科医を名乗ってる(それもたぶんそこそこ実績がある)時点でどっちにせよファンタジーじゃね?
そういうわけで「金を稼ぐためにアイドル」はアイマス世界においてめちゃくちゃ正解だし、薫の歌が好きなお姉ちゃんもきっと喜んでくれるからやっぱり正解なんですよね。桜庭はアイドルとして自分の恵まれたビジュアルに感謝しなくちゃいけなくて、でもそれは永遠に失った姉と同じ顔で、は~~業が深い(※喜ぶオタク)

ギャンギャンケンカする信号機はアイマスシリーズ初だし、全ユニットを見ても相当レアな関係だと思います。一方的なライバル視ではなく同レベルでやりあう組み合わせって、いおまこ以来なのでは?(デレアニのアスタリスクはMマス後)
いおまこには一生ケンカしててほしい真Pなので、輝と桜庭もずっとケンカしててほしいです。翼はこっちで一緒にお弁当食べようね。教育に悪いからピエールもこっち来ようね。全然似てないのに、自分の衣装の白いスカーフから天道の私服の赤いスカーフを連想して嫌がる桜庭すき。小学生じゃん。

コラボでグラブル内に登場したとき、というかコラボ後もかなり長い間グラブル内で廃人の代名詞扱いされてて当時はMマスやってない騎空士だったんですがさすがに草生えた。当時の水準だとマジで寝食削ってやり込まないと到達できないランクだったんだよなあ……。コラボの廃人ぶりもそうだし、モバMでも「桜庭乱入!」なる公式ネタも生み出されたし、てっきりもっとオモシロ寄りの男だと思ってたら実物はびっくりするほど面倒くさい男でびっくりしました。まあ時間が経てば丸くなるもんだし……と思って最近のモバMイベ見ても言うほど丸いか?ってくらいの塩っぷりで、こんな桜庭と6年やってきた輝と翼えらいな……(モバM内で「6年経った」というセリフがある)(お前ら何歳なんだ)(ところでモバマスは年数に言及したことあったっけ?)

ほぼ千早な過去を持つ孤高の青でありながら、彼女たちとは違ってしっかり大人であるがゆえに今までと比べ物にならないスケールでしでかしてくれるアニメの展開は「そう来たか~……」と言うしかなかったですね。いや本当にあれはガチで違約金からの契約解除ものでしょ……それくらいに完全アウトな行為によって逆説的に桜庭の覚悟も示されてしまうからものすごい。
ていうか事務所を通さずドラマ出演できるアイマス世界の芸能界どうなってるんだ。もしかして961事務所ってブラックじゃなくてスタンダードなのか?こんな闇深芸能界を拒否するネットアイドル鈴木さんって正しかったのでは??

翼に対しては「運命共同体という言葉は嘘だったのか」と問いかけ、Pには「僕をスカウトした君がアイドルの仕事を奪うのか」と言う桜庭って、ひとの言葉をすぐに信じてしまう依存体質として解釈する余地がありますね。それって青の系譜じゃん。輝に対してザクザク言葉で刺すのだって相手がそれくらいではへこたれないという無言の甘えなわけですし。エムステ内ラジオでも言ってた。
アイドル育成ゲームのキャラが「P(プレイヤー)はいらない」と言うのは相当挑戦的だと思うんですが、桜庭に限ってはモバMでも同じこと言ってて原点回帰だからセーフ。いや原点がおかしい。もっと原点を点Pに寄せろ。

 

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天道輝

めちゃくちゃ童顔。もうショタ。これは美少女2人(ドラスタ)と一緒に風呂入っても許されますわ。
童顔を気にしてヒゲを生やしてるそうですが、あの声とこの顔ならそらそうよな……。体格は割とがっしりしてるとはいえ、顔は思い切りティーンを描いてあとヒゲを生やせば天道輝ってくらい幼いから、むしろ未成年アイドルと組ませて売り出せそうなのに本人の意向を尊重して大人ユニット組むPえらい。私がPなのでつまり私えらい。へへへ。
ユニット内で一番小さい輝でも175cmあるから、ドラスタって本当に高学歴高年収高身長ユニットなんだよな~すべてを手にした男たちかよ!あとは協調性だけだな!

輝は本当に声が太陽なんですよね。初めて歌声を聞いたとき太陽フレアで焼き尽くされたかと思った。一番星目指してる場合じゃないくらい太陽。
しかも声が高い。いやドラスタはみんな声高いんですが、『なんどでも笑おう』で美少女たちと同じキーで歌ってるの聞いてひっくり返りました。やっぱ美少女ユニットじゃん、3人で男湯入ってたけど。もうこれ逆に女湯だった可能性もある(※ない)

声以外もマジで太陽だからあまりにもまばゆい。天道輝、人間力が高すぎるんだよな……前職で修羅場をたくさん見てきたんだろうなあ。反りが合わない相手の納得できない言動に対しても「いろいろあるよな」で許容してしまえるの大人すぎる。鬱陶しいくらいぐいぐい来るけどちゃんと引くこともできるメンバーでよかったね桜庭。
合宿で小学生レベルの張り合いをしたあと、次から「俺が一緒だとかえって無理させるから」とランニングに行く桜庭を見送るところイケメンすぎて惚れたし、輝の代わりに翼が付き添ってくれるのドラスタてえてえなあ……と手を合わせました。ドラスタ、桜庭介護のためのユニットみたいなところがある。仕事中は桜庭がフォローする側だけど。

そんな桜庭の契約違反には本気で怒るのに、見限るどころか力になれることがないかと考える輝えらすぎる。料理スキル持ってるのも強いですね。ヒゲ以外いいところしかないアイドルじゃん。
中でも、視聴者に示され、Pはすでに知っている桜庭の事情を聞くことなく「どんな理由があっても同じ夢を追う仲間だ」と言い切る姿には唸りました。これはアニメオリジナル展開なのですが、本当にすごいものを出してきたなあと言うほかない。過去のアニメ版アイマスシリーズが”傷つきやすい少女たちが手を取り合って前へ進む”物語だったのに対し、アニエムは”苦しみを知っている大人たちが背中を押してともに歩む”物語なんだなととても感銘を受けました。
前者は”知っているからわかりあえる”というメッセージで、つらくてもさらけ出すことを肯定している一方、後者は”知らなくても信じてる”という受け止める側の覚悟を明確に描いている。実際、「知っている」状態で判断するのならともかく、「よくわからないけどお前を信じる」なんてそうそうできることじゃないですよ。それをやってのけた輝、つよい。
このストーリーはドラスタのアニメ新曲である『ARRIVE TO STAR』の歌詞でも表現されているんですよね。「どんな理由であってもいい」というメッセージは、おそらく自分の動機を不純だと感じているであろう桜庭への救済でもある。「わかりあえないけど同じ頂を目指す」ことを肯定するこの曲は『We're the friends!』と一致するのでつまりドラスタはシンデレラガールズです。

ところで私なぜかずっと輝が目指しているのは「一等星」だと思っていて、そうではなく「一番星」であることに気づいた瞬間ゾクゾクしました。月の横でひときわ輝く、だけどいくつもある一等星じゃなくて、宵闇の中で足元も見えなくなったときに誰よりも先に道しるべとなってくれる一番星を目指してるんだな……輝……お前が俺たちの星だ……。(噛みしめるオタク)
我ながら深読みしすぎかな~という気もしつつ、あれだけ一番星一番星言ってるんだからこれくらい意味を見いだしても許されると思うんですよね。単に語感優先とか設定時に「一等星」と間違えただけだとか考えたくない。

さて、アニメで翼を引っ張り上げ、桜庭を照らした輝はまったき太陽として描写されていました。赤の系譜に連なる信号機センター、Pから「太陽の擬人化」とまで評される天道輝はずっとまばゆい男なのだと私も思っていました。アニメを見たときは。
ところがモバMの輝、わりと暗いんです。「この歳でアリなのか?」とか「俺って中途半端だよな」とか言うし、「Pに出会ったから頑張るしかないってまた思えるようになった」とさえ言う。”アイドルである自分”に自信が持ててないし、ごく最近まで前に進むことすら倦んでいたふしがある。待って??太陽でしょ?待って???

私、「太陽がジェラシーする正統派ヒロイン天海春香がすべての試練を乗り越えたトゥルーエンドで失恋するギャルゲー」と聞いてアイマスに惹かれたクチなんですよ。この”太陽を輝かせたまま終わらせないアンビバレントなキャラクターデザイン”が天道輝にも通底していて、こんなのアイマスじゃん?(※アイマスです)
先輩Pたちが「太陽の擬人化」とか言うからぜんぜん身構えてなかったのに、まったく予想外のところからこんな攻撃されて誇張抜きに「ヒエッ……」って声が出ました。こわい。沼じゃん。仲間から認められることで自身が抱えた引け目から解放された翼と桜庭とは違って、輝の陰りを照らすにはトップアイドルとして自分を信じさせることが必要で、つまりPにしかできないわけです。私が輝の太陽になるしかない。いや沼じゃん。赤の系譜はどうしていつもそうなの。

それでいて輝は自身を太陽になぞらえるんですよね。太陽扱いされていることは本人は認知していないと思っていたのに、お天道さんと天道輝を引っ掛けた激ウマギャグをときどき言う。ポプマスでも言ってた。だから沼じゃん……法律事務所を出たあとは仕事を干された、つまり自分ひとりでは何もできなかったことを痛切に思い知っている男(※美少女の可能性がある)が、全天で最もまぶしい光を名乗るの重たすぎる。アニメでずっと太陽として描写されていたことも重ね合わせると「自分の中に冷たい空隙を抱えながら誰かを照らす光であろうとする」人物像が浮かび上がるわけで、そんなのもうドラマしかない。お前がドラマチックスターズだ。
というわけでモバMの過去イベ読んでちゃんと輝のパーソナリティを考察しなきゃ……という思いに駆られました。勉強のためにアニメ見たのに余計混迷をきわめるの勘弁してくれ。沼か。

 

 

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S.E.M:

ユニットコンセプトがもうズル。「生徒を導くためのアイドル」って、高潔すぎて惚れ惚れするわ。もうさ~「格好悪くても笑われてもいい、全力で信念を貫く大人」ってそれだけで映画できるじゃん。そりゃ勝てるわけないじゃん。そもそも我々は必ず学生時代を経験しているわけで、「あの頃にこんなに情熱を傾けてくれる先生がいてくれたらな……」という郷愁と羨望、さらに社会人として「子どものために範を示す」ことの困難さを知ったゆえに生まれる彼らへの敬意でひたすらに胸が熱くなります。やっぱズルなんだよなあ……FRAMEもそうだけど、他人のためだけに努力してくれる大人、尊い

そんなあまりにも高い志から繰り出される『Study Equal Magic!』とかいう神曲。5話S.E.M回で3DCG使わずに手書きアニメだけでライブシーンを描きつくすの、スタッフの「ここで視聴者を落とす」という確固たる意思が現れてますね。ありがとう落ちました。とっくに落ちてたのにまだ落ちられた。
体力的に厳しい振り付けであっても、「事務所の現役高校生たちが喜んでくれたから」という理由でそのまま採用するエピソードがまさにS.E.Mで感服しました。教師を辞めてアイドルの道を選ぶ姿は余人に理解されがたいけど、彼らはどこまでもまっすぐに生徒のために走ってくれていることを確信できた。アニエム、本当にオリジナル展開がいい。 

硲道夫

ぜったい年齢詐称してるでしょ。三十路超えの顔じゃねーぞ。みのりさんと一緒にアンチエイジング特集出て、待ってる人がいるんですよ!
血が通ってない冷血データキャラかと思ってたら、トレーニングメニューをこなせずヘロヘロな次郎ちゃんに呆れるでも怒るでもなくそのまま受け止めていて好感を持ちました。その後自分も筋肉痛でうめいていてさらに好感アップ。自分が二人をアイドルの道に引き込んだことをクソ真面目に考えていてまたアップ。いやちょっとは下がって?好きになっちゃうじゃん? 

舞田類

23歳!!?!いや硲先生・次郎ちゃんより若いのはわかってたけどそんなに差あったんか??前職時代からめちゃくちゃフラットに接してたでしょ??平均年齢最年長ユニットことS.E.Mだけど類は濡れ衣じゃん(?)
SideM界の成人美少女アイドルの一角ですね。かわいい顔してるのに目つきは意外とキツめで、しかも金髪赤目だからきゅんパイア衣装めちゃくちゃ似合いそう。うちの事務所は女装NGですけど。
キテレツ美少女してるくせに次郎ちゃんと一緒にビール飲みたがったり、輝といっしょにヘロヘロに酔ってたりして人間くさいとこも好きです。SideMは成人アイドルが多くて飲酒後の姿を見られるからお得ですね。フレデリカとニコニコしながら永遠に噛み合わない会話していてほしい。 

山下次郎

宇宙人二人に振り回されるダメなおじさん。あんな自堕落な生活してるのに妙にムキムキしいのどういうこと……アイマス界の競馬場は筋肉ないと入場できないのかな?
フェロモンだだ漏れのセクシー担当ダンディなのにあんなピッチリ衣装着てるのすげー世界ですわね。アイドルの概念こわれる。
類とお隣同士なのなんで??転職後も住んでるから社宅的なサムシングじゃなくて普通の賃貸だよね?たまたま隣に入居するシチュエーションあるか????前職も現職も住居すらずっと一緒の仲良しぶりありがてえ。いつも類にツッコんでくれてたすかる。これからも頼んだ。
次郎ちゃんの家に皿が3枚ないの本当すき。みんな好きだろうけど私だって好き。

 

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Beit:

過去の重さがやべーユニットというのは事前に聞いていたんですが、アニメでは匂わせるだけではっきり踏み込まない描き方で逆に驚きました。尺の都合というのが一番大きいでしょうが、アニエムは意図的にこういう描き方をしている気がする。アイドルを構成するうちの小さなピースだけを投げかけて、自分の手で組み上げなければ完成図は見えませんよと言っているような。アニメをゲームへの導線としてはっきり位置づけることで「視聴者」を「プロデューサー」へと育てる意図があるように感じました。いやアニメの尺の都合が大きいんだろうと思いますが。
アニメを見てようやくBeitファミリーなる概念を理解できた気がします。みのりママと末っ子ピエールに対し、恭二は父親兼長男なのかな。それぞれ家族が去った3人が身を寄せ合い、失った絆をやり直しているさまが切ないしあたたかい。守護らなきゃ……。
3人ともわりと浮世離れした境遇で生まれ育っているはずなのに、商店街で愛されてるのも庶民的でかわいいですね。アイドルデビューして、王子ユニットで売っていくと聞いたときの反応が知りたい。特に恭二。

鷹城恭二

ステージに立つと突然変わる髪色、担当Pもいまだに不思議がってると聞いてちょっと笑いました。最初のカードから徹底してるのにまだ明かされてないことあるんか。高垣楓と完全一致するオッドアイと泣きぼくろの謎も解明されてほしい。
こじらせ思春期ムーブしてるのでてっきりハイティーンかと思いきやビール飲める年齢で驚きました。その年齢で「家を出る」ことを決めたからこそ、まだまだ子どもである伊織が親に反抗するのとは違う、人生をかけた重たい決断であることがにじみ出ていますね。アニメでわずかに見えた描写だけでも相当つらい家庭生活だったのが察せられるので、生家のしがらみを捨てて新天地で羽ばたいてほしいと思います。モバMの「なんとか生活費稼げてるじゃん、さすが俺」ってセリフ、いじましいのに自信家な性格が見え隠れしていて好きです。

ピエール

とにかくかわいい。顔がかわいくて声がかわいい。かわいいがすぎる。よく「美少女オタク男性PへのSideMの刺客」として咲ちゃんかのんくんの名前が挙がりますが、ピエールも相当ヤバくない?あまりにもかわいいんだが???金髪白人ショタに王子衣装を着せることを決めたえらい人ありがとう。救われた命があります。
合宿で水鉄砲くらったみのりさんを心配するシーンで、水鉄砲を理解していない幼さと闇討ちを理解している過去が垣間見える気がして勝手につらくなってました。闇討ちに慣れてそうなみのりさんは一体何者なんだ(すっとぼけ)
常に護衛が必要なくらい狙われている立場なのに堂々とステージに立ってていいんか?という最初の疑問はアニメ見ても消えなかったのでちゃんとゲーム履修しようと思います。ゲームで説明されてますように。

渡辺みのり

元ヤン元花屋31歳美女ママ天涯孤独ドルオタ茨城の鬼神。属性が多すぎる。お前は安部菜々か。
みのりさんの過去は本当に一切と言っていいほど触れられなかったので、アニメしか知らない人はただの人妻と認識してそう。かろうじて、制限速度ギリギリ(に見えない)ドライビングテクニックとときどき漏れるドルオタ成分に引っかかる程度かな。オタクムーブが押さえられないみのりさん本当すきだし合宿回の感極まった「翔太ァーー!!!」めちゃくちゃ笑った。
さすが過去に色々ありすぎた大人というか、包容力がすごい。もうママじゃん。いくら美女とはいえ31歳男性をママ呼びするのはアングラネタすぎるかな……と思ってたんですが、キャスト側にもみのりママ呼びが認知されてたので堂々と使っていこうと思います。キャストが認知するな。

 

 

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High×Joker

学園祭ライブのスケールが学園祭ってレベルじゃなくてあっけにとられましたが、そもそも315プロダクションって元トップアイドルのJupiterを「君たちの人気にふさわしいキャパの会場を用意できる」と言ってスカウトしたくらいなので、新興だけどおそらく金はあるんですよね。社長もPもアイドルのためならいくらでも用意するタイプだろうし、ハイジョにとっては特別な凱旋ライブだし、あれくらい派手にぶちかますのはむしろ当然なのかもという気がしました。旬と四季にとって大きな変化をもたらした10話のラストを、アイマスおなじみの変態カメラワーク手描き(一部3DCG)アニメで締めくくるのズルじゃん。泣いたが?
いくらSideMといえど、高校生なら暗い過去背負ってないだろwwと舐めてたらあっさり裏切られました。ずっと長く生きてる元教師の方がよっぽど救いがあった。

伊瀬谷四季

黒髪!片耳隠れショート!メガネ!はい好き!!!
なので美少女です(2回目)。もとから未成年組は中性的に描かれてるし、アニマス寄りのキャラデであるアニメ版ではみんなかわいくなってるのでネタにできないくらい美少女で困る。10話後半の四季、ずっと可憐美少女でしたね……。
ウェイ系パリピDKだと思ってたのにそうでないことがじわじわわかってきて、10話ラストの「ハイジョは最高だから、自分は仮メンバー」というセリフはもうゾワッとしました。それって「ハイジョ=最高」の中に自分は含まれてないってことじゃん……。浮かれポンチに見えてその中に根付いた卑屈さ、インパクトでかすぎる。アイマスこういうの多いな。
ハイパーアゲアゲお祭り男なのも伊瀬谷四季だし、自分の価値を認められず、先輩たちの卒業で一人だけ置いていかれる確実な未来を知っているのも伊瀬谷四季なんですよね。あの……本当こういうのやめて……弱いんで……

秋山隼人

自作曲でバンド大会準優勝したりプロのアイドルとして通用してるの天才すぎない?才能の塊じゃん……なのに妙に親しみやすくてかわいいのすごい。それも才能じゃん。
青春=バンドの発想とか、モテたいが口癖なところとか、単純ピュアボーイなのにツリ目がちで目元が強いのが意外でした。普段は四季の勢いに押されがちだしすぐはしゃいじゃうし頼りない自覚はあるけど、リーダーとしてしっかり芯を持っているのも正直意外でした。一人で始めたバンドに旬と夏来を引き込み、四季の憧れで、春名の留年を救う(だろう)秋山隼人、主人公じゃん。繊細な感性の持ち主ですぐ泣いちゃう感動屋なところがかわいい。アメちゃんあげたい。

若里春名

えっち。でも18歳だから合法。危ないところだった。
2留高校生アイドルって斬新すぎない……?いや常軌を逸したドーナツ好きアイドルも斬新なんだけど、それはシンデレラに前例があるので。なんであるんだ。
留年するくらいバイト漬けな理由はついぞ明かされず、これもまたフックだけ投げて気にならせておいて沼に引きずり込もうという意思を感じます。ぜったい重い理由あるやつじゃん知ってるぞ。いろいろ崖っぷちなのにからっと明るいのも年の功なんだろうか。ちゃんと卒業してね……いや四季のためにもう一回留年してくれ……
ドーナツばかり食べてるから心配になっちゃうけど、春名は栄養バランスを知ってるから安心だネ☆ 

冬美旬

自分の殻に閉じこもりがちで言葉の攻撃力が高い、つまり青の系譜じゃん。四季のまっすぐな熱意に打たれて自分を少しだけ好きになれてよかった、つまり青の系譜じゃん。
自身を守る壁がすごく高い少年が夏来にだけは心を許しているのがエモいし、その夏来の前でも弾いていないくらいピアノに対するマイナスの過去を背負っているのがつらい。まだ16歳なんですよ……守護ってあげたかった……
孤立しがちな旬が四季に引っぱり出されて自分自身の輝きに気づけて本当によかった。四季とはまだ出会ったばかりなわけで、5人になったハイジョに刺激されて少しずつ外に向かって歩きだしてくれたらいいな。アニメでも山梨要素しっかり押さえててちょっと笑いました。 

榊夏来

確かにアニエムは過去を匂わせるだけで全容は隠しがちだよ。それにしたってアニメ公式サイトのキャラクター紹介ででかでかと「俺がジュンからピアノを奪った」なんてコピーを掲げておいて一切触れないってことあるか。
そもそもゲーム内でもこのへんの過去は明らかになってなかったそうなので、アニメ公式サイトを見た瞬間から旬P夏来Pは動揺しまくっただろうし最終話まで震えてただろうな……。Pの心情は察するに余りある。SideMくんは反省して。
今はまだ高校生だけど、あと数年もしたら色気で天下取れそうですね。けだるげなビジュアルと旬への依存に似た危うい距離がセクシーすぎてちょっと正視できない。感情の起伏が少ないのかと思いきや、びっくりしたときはちゃんとギャグ顔も披露してて安心しました。高校生だもんね。いやその色気で高校生か?

 

 

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W:

このルックスで18歳!!?!??つまり神速一魂の二人より歳上??いや無理があるでしょ……翔太14歳と3人並んだときの調和がすごい。SideM、実年齢より若いアイドル多すぎない?
アニメキービジュに出しておきながら6話まで出てこないって、担当Pは毎週不安と緊張で胃がキリキリしてただろうな~と思ったけど、よく考えたら他の5ユニット担当Pも同じだったわ。自担の当番回がいつ来るかと毎週楽しみだしおびえてたよね。
6話で泣いたし最終話のライブシーンでも泣いた。アニメ視聴前はノーマークだったのに、今では毎秒Wちゃんにお小遣いあげたいおばさんになってしまった。もしかしてSideMって沼なのでは??
ところで、やっぱりアイマスの双子だからユニットカラーが黄色なんでしょうかね? 

蒼井享介

キャラクター紹介を読んで「悠介が怪我したから自分もプロサッカー選手やめる」って無茶苦茶すぎる……と思ってましたが、アニメを見て考えを改めました。悠介だけ引退して、享介は後悔を抱きながらピッチに立ち続けろなんて決して言えない。
悠介の怪我の原因が本当に享介のプレーだったのかどうかは断定できない描き方でしたが、真実がどちらにせよ享介はずっとあの瞬間を悔い続けるんだろうと思うと、あまりにも重い十字架を背負ってしまったんだなあ……。
Pにできることは、Wをトップアイドルに押しあげてサッカー選手としては掴めなかった栄光への未練を少しでも軽くすることしかないですね。担当Pに求められる覚悟がヤバい。
悠介のためにテーピングを覚えようと頑張ってるのも泣ける。元医者がいる事務所でよかったね……。桜庭をスカウトしたP、つまり私やったぜ。 

蒼井悠介

享介が「自分のプレーが悠介のサッカー生命を絶った」という罪を背負っているなら、悠介は「自分の選択が享介のサッカー生命を絶った」という罪を背負っているわけですよ。互いに互いを縛り付け合う双子、はーーーたまんねえな……。生まれる前から一生一緒の二人が永遠に同じ重さの枷で引き合うの、運命どころか因果じゃん。
ただ、アイマス世界ではアイドルの地位が高すぎるはずなので相対的にプロサッカー選手引退の意味が軽い可能性もあるかなーと思います。若い男子の集団こと315プロダクションでも、蒼井兄弟に反応するのが冬馬くらいだし。
過去が重いことでおなじみのSideMアイドルたちの中でも「自分のせいで相手の将来を変えてしまった」Wの二人は本当に救いがないし、それでいて天真爛漫な合法ショタぶりを見せてくれるのがおじさんかえって泣けちゃうんだよね……。もう二度とこの笑顔を曇らせたくない(決意)。
たぶん蒼井兄弟は腹チラノルマあるよね。たすかる。

 

 

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Jupiter:

10年前から冬馬のタレ目が大好きだよ!!!!!!!
失礼、新参Pが高ぶってしまいました。本当冬馬の顔好き。えっち。アイマス2のときからこんな顔のいい男を敵役で使い捨てるのマジか……?と思っていたので使い捨てられなくてよかった。まさかこんな未来があるとはなあ……。あー顔が好き。えっち。

アイマス2では初対面で他のアイドルを「低レベル」と面罵し、Jupiterを結成しながらもついに最後まで”チームワーク”の意味を知ることができなかった天ヶ瀬冬馬が、SideMではまだまだ未熟な後輩アイドルたちをあなどることなく一緒に走る仲間として認めてるんですよね。
これって普通に考えればキャラブレなんですが、間にアニマスとムビマスが存在することで「『団結なんて甘い夢を見ているアイドル=765プロが、俺たちでは届かなかった高みに到達した』ことを知って世界が広がった天ヶ瀬冬馬」と解釈できるようになったわけです。天ヶ瀬冬馬にとって天海春香は光であり救いなんだよなあ……。このへんの考察を語ると止まらないので省略。春香さんが救えない人類、P以外にいない説ある。救えない人間でごめん。

本当、Episode of Jupiter(EoJ)の完成度がすばらしかったですね。961プロを辞めたあとの彼らが得たもの、失ったもの、3人だけでは手に入れられないものが丁寧に描かれ、315プロ所属に至る道のりが説得力を持って示されていました。アニエム、本当にオリジナル展開がいい。

事務所を辞めて存続の危機にあったJupiterが今までアイドルを続けているのは「冬馬がそれを選んだから」なんですよね。デビューするまで面識もなく共通点だってろくにないような三人が、たったそれだけの理由のために泥にまみれてでもアイドルにしがみつくのって、絆でしかないよなあ……。
黒井に裏切られて傷ついた冬馬が、初めて得た仲間である翔太と北斗とともにもう一度誰かを信じて踏み出した先に光が満ちていてほしいと願ってしまいます。合宿回で北斗が漏らした「こんな風に仲間と過ごすなんて、今までは考えもしなかった」というセリフで泣いた。自分一人で走れると思っていた冬馬が仲間に囲まれて笑ってるなんてなあ……。丸くなったなあ……。

SideMのJupiter、めちゃくちゃいいやつらになってましたね。あの冬馬をここまで変化させたんだから、結果として黒井社長やっぱり敏腕Pなのでは??
アイマス2で表現されていた、冬馬の傲慢なほどの自信は彼のたゆまぬ努力に支えられているんだなとアニエムで気付かされました。それも冬馬は自分の努力を当然のことと捉えていて、だから結果を出すことも当然だと考えているんだろうな。その危ういほどの潔癖さに誰もついていけなかったから孤独に立つしかなかった。
北斗がJupiterのためにずっと尽くしてくれていたことも、翔太がこんなに後輩の面倒見がいいことも知らなかった。私が知らないJupiterがまだまだたくさんあって、それを知らなくちゃいけないと感じています。モバM北斗がフットサルのスローインを懸念するくらい右手に不安があるのも知らなかった。いやアイマス2北斗は私と真をめぐって重量挙げ対決して完勝してたじゃん???設定の齟齬はアイマス名物ですね。悪役からアイドルにシフトしたんだからこれくらいはしゃーないか。

アニメ新曲の『Over AGAIN』がまたズルでした。やめてくれ、これまでを思い起こさせないでくれ。「昨日が眩しい」と歌った『Planet scape』から『Over AGAIN』の「眩しいのは昨日じゃない」に変わっていくの反則じゃん。
Jupiterといえば過去の先につながる未来の輝かしさを一番歌うユニットなわけですが、彼らを悪役としてデザインしたのはアイマス2スタッフで、彼らを叩いたのはPなので、過去の重さを咎のない彼らに背負わせていいのかという思いはあります。Jupiterは悪くないんだよな。ただ嫌なやつだっただけで。

961プロを辞め、アイドル引退もありえた冬馬が「あんたが俺のプロデューサーだったら、何か変わってたかもな」とこぼしたアイマス2のあの日からずいぶん経ってしまったけど、「何か変わった」彼らの姿をこうして私が目にできることは本当に奇跡だなと思います。あのころはこんな未来があるとは夢にも思わなかった。
どのアイドルを選んでもエンディングで必ずやってくるアイマス2冬馬が今でも変わらず好きです。毎回「告白を聞き返されるツンデレヒロインムーブ」繰り広げるの本当笑うし、冬馬が望んだ未来の先をずっとつないでいきたい。ずっとずっとその先へつないでいけるんだよなあ……。 

全体:

各アイドルにつながるフックをこれでもかとばらまきつつ、Jupiterの救済を果たし、センターユニットであるドラスタにちゃんと愛着をいだかせるいいアニメだったと思います。いやわかんない、単に私が翼の声と桜庭の顔と輝の歌が気に入っただけかもしれない。こればっかりは好みだからな。すまんな。

今作のアニメPはめちゃくちゃ有能でしたね。仕事もばっちり取ってくるし、アイドルたちのサポートをしつつ基本的にユニットメンバーにゆだねている感じが信頼を感じさせました。大ピンチに陥ろうとも決して桜庭の抱えた事情を口外しない真摯さも尊敬できる。
バラエティー豊かすぎるアイドルたちに引いてる山村と、まったく気づかず「すごいでしょうちのアイドル!」ってニコニコしてるアニメPの対比が好きです。普通ちょっと引くよな。
モバMでは一貫して性別不詳として描かれていたPちゃんがアニメでは男性確定だったのがちょっぴり不満ですが、CVつく時点で性別が固まってしまうのは仕方ないですね。いや男性だと偽っている女性の可能性も大いにあるか。なにせ涼ちんがいる世界だし(?)

アイマスシリーズのアニメ3作目ということで、アニマス・デレアニを踏襲した仕掛けがふんだんに盛り込まれていてニヤニヤしました。劇マスを踏まえたライブシーンで1話が始まったのもう泣いたし、13話でもう一回見て泣いたし、アイマスの@を冠した『GLORIOUSRO@D』が『私たちはずっと…でしょう?』『M@SIC☆』を思い起こさせる演出だったのも感じ入りました。アニマスデレアニ視聴済みでSideM知らないPに一番向いてるアニメだったんじゃないかな。つまり私か。
ずっと作画がきれいだったのによりによって13話で息切れしたのが本当にもったいないと言うべきか、さすがのアニエム作画班でももたない13話だったと言うべきかわからないですが、円盤だと修正されてるのかな。全話通じて、極力3DCGを見せないようにシルエットで使ってたのもテクニカルでした。

ただ、どんなにいい出来でも6ユニットしかメインで描かれない時点でSideMのアニメ化としては完全でないんですよね。企画の時点で満点を取れない宿命だった。いやそもそもアニメ化するには46人は多すぎたんですが。
アニメスタッフもすごく気を使っていて、他の9ユニット全員1カットずつ出すし、彼らの活躍が描かれないのはPと出会っていない=アイドルになっていないからであって、13話ラストでこれから他のアイドルをスカウトする描写を挟むことで近い未来を予感させるものになっていますが、Pから不満が出るのは至極当然のことと思います。いいアニメだっただけに自分の担当がいない悲しみが深くなった面もありそう。46人全員メインで描けるわけもないことをわかっていても、推しへの感情は理屈じゃないから仕方ない。
そのうえ、放送前にアニメでスポットが当たるユニットを毎月ニコ生で発表してたの本当イカれてる。担当アイドルがメインで出演するのかどうか一ヶ月間ドキドキしながら待ち、何度も裏切られるPの心情を思うとさあ……Pたちよく発狂しなかったな、私なら耐えられたかちょっと自信ない。アニメ放送時の関連施策を含め、アイドルの描写は丁寧なのに肝心の方向性がPに支持されないの、そんなところでアイマスシリーズの伝統を引き継がないでいいんだ。見習ってほしいところはもっと他のところだ、3DCGとか。

正直なところまだあまり知らないアイドルちゃんたちもたくさんいるので、アニメも見終わったことだしモバMをポチポチしながら彼らのことをもっと知っていきたいと思います。詳しく知る前からもう落ちそうな子もいっぱいいる。志が高い大人と黒髪ショートに弱いオタクです。新参なので囲んでください。対戦よろしくお願いします。